セットバック部分を寄付することはデメリットになるか？

当ブログはGoogleサーチコンソールを導入しているのですが、「どういう検索でこのブログにたどり着いてくれるのかな〜？」とたまに覗いてみることがあります。

住友林業で建てたというブログなのに、意外と多い流入ルートに

が入っていることは前々から気がついていました。

わが家はセットバックの必要な土地に家を建てました。市区町村にセットバック部分を寄付してはいないのですが、セットバックにまつわるデメリットについていくつか記事にしたことがあるので、その影響もあるのでしょうか。

今回は、セットバックの必要な土地に住んで思うことや、検索で辿り着いてくる疑問を解決できる手助けとなるようなことを書いていこうかと思います。

はじめに、わが家の場合

この記事を読んでくださっているということは、セットバックに該当する要件や市区町村に寄付するか・自己管理にするかなどある程度の知識と検討事項は入れておられるかと思うのですが、「これから勉強するよ」という方もいらっしゃるかもしれないので、過去に簡単に記載した記事がありますのでそちらを参照いただけると幸いです。

手始めに一事例として、わが家を建てた土地について紹介します。

建築前は駐車場で、約50年前は家が建っていた

時系列で追うと、こんな感じでしょうか。

今の家が、建築基準法が制定されてからはじめて建つ建物になります。

場所によって10cmから30cmのセットバックが必要

前面道路が少し曲がっているからかセットバックも同じ幅だけされるわけでなく、10cm程度から場所によっては最大30cmまで後退する歪な形で道路後退しました。

赤色の線が現在縁石があって道路境界となっているところで、青色の線が後退しなければならないラインです。

セットバック部分は自己管理とした

セットバック部分は

• 市区町村に寄付をする(土地の一部を渡す)
• 自己管理とする(土地の大きさは変わらない)

から選択することになりますが、わが家は自己管理することを選びました。

指定された縁石工事の方法は、“元の縁石を残したまま新たに縁石を設置すること”だったので、実際セットバックしているにもかかわらず道路の広さは変わっていません。

セットバックした土地に住んで思うこと

セットバックは基本デメリットでしかない、が

結論から言うと、セットバックはデメリットにしかならないと思います。

土地の購入前にわかっているとはいえ

• 現状より使える土地が少し狭くなること
• セットバックしてあると示すために、市区町村指定の工事が必要なこと

は、一般的な土地を購入する場合考慮しなくて良いのですから。

しかし、題目で“セットバックは基本デメリットでしかない、が”としたのは、このデメリットたちがどこまで大きく影響を及ぼすのかということは、土地の大きさとセットバック工事の内容によって異なると思うからです。

例えばいわゆる狭小地と呼ばれる土地に家を建てる場合、少しの面積でも惜しいのでそこにセットバック問題が絡むと大きなデメリットになるでしょう。

一方で平屋が建てられるようなゆとりのある敷地の場合は、あまり道路を後退させることは気にならないかと思います。その場合は、セットバックが大きなデメリットとはあまり感じられないかもしれません。

そして、セットバック工事も大抵は市区町村指定の工事方法が存在するかと思います。

市区町村に道路後退部分を寄付するか自己管理するかで同じ工事内容か、異なる工事内容なのかも自治体によって異なります。

工事内容によってはその分外構費用が高騰しますし、本来なら必要なかった工事費用なのでこれはデメリットに値しますね。

市区町村に寄付することでさらなるデメリットになるか？

これは私たちの事例ですが、現在居住している市区町村ではセットバック工事に関する取り扱いが、

と決められていました。

具体的に言うと、

• 寄付→側溝整備　150万円の見積もり(補助金使用後)
• 自主管理→縁石整備　60万円の見積もり

となっており、圧倒的に自主管理のほうが外構費用がかからないことがわかりました。

セットバック部分を寄付すれば、その部分の道路で何かあれば市区町村対応をしてもらえるなどメリットとも捉えられることはあるのはあるのですが、こうも初期費用が異なると寄付することへの大きなデメリットと言わざるを得ません。

そのため、私が考える「セットバック部分を寄付することによって生じるデメリットは？」に対する答えは

だと思っています。

ただこれは私の住んでいる自治体の話なので、市区町村によって異なると思うのでご注意ください。

むしろ、“寄付したら工事は市区町村がしてくれる” “寄付しても自己管理しても何も変わらない”と言うならば、もはやそれはデメリットではないので、寄付してしまった方が楽な気がします。

最後に

セットバックをすることで実質使える面積が少なくなるということはデメリットではありますが、しなければ完了検査に合格できないので施工しなければなりません。工事費用もかかります。

しかし、寄付するか自己管理するかは施主が選べる部分であるため、“寄付することで金銭的負担が増大する”ならば、それはデメリットになりうるでしょう。

流入ルートの疑問について、少しでも手助けできるような内容になっていれば幸いです。